中高生の3人に1人“自身に不利な契約条件”を見抜けない ※画像はイメージです(arc image gallery/stock.adobe.com)
中高生の3人に1人“自身に不利な契約条件”を見抜けない ※画像はイメージです(arc image gallery/stock.adobe.com)

中高生の3人に1人以上が“自身に不利な契約条件”を見抜けない--そんな調査結果がGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(東京都渋谷区)による「契約リテラシー」に関する実態調査でわかりました。では、中高の教員が関心を持っている”子どもの契約トラブル”にはどのようなことがあるのでしょうか。

調査は、山口県下関市に居住する中学生・高校生373人、および同市内の中学校・高校の教員20人を対象として、同市で開催された「しものせき未来創造jobフェア2025」において、対面と会場配布のアンケートで実施されました。

子ども向け職業体験イベントにおいて、中高生を対象に3問構成の”あやしい契約”を見破る体験型教育ゲーム”を用いて調査を実施したところ、「全問正解(3問正解)」した子どもは64.9%、「2問正解」は34.6%、「1問正解、もしくは全問不正解」は0.5%となり、誤答者は合計35.1%にのぼることから、子ども向けに著しく簡略化したゲーム用の契約書であっても、その内容を正しく読み取ること、また不利な条件を判断することの難しさが明らかとなりました。

また、ゲームを体験した中高生の約96%が「契約を体験したことがない」と回答。カリキュラムで時期的な差異はあるものの、中学3年生になると、地歴・公民や家庭科等の授業において、消費生活に関する指導が行われます。授業は映像教材や座学が中心であり、実際に契約書に触れる機会の必要性がうかがええます。

体験した中高生からは、「ぱっと見た感じではどれも良さそうなものだったが、よく見ると自分にいいことがなかったりするものがあってすごく勉強になった」「契約は口コミなど、しっかり調べて理解した上で、安全かどうかを見極めることが大切だと思った」「しっかりと小さな文字も見ることが大事だということがわかった」など、初めて触れる契約書から不利条件を見抜くことの難しさと、体験型ゲームを通じた学習効果を挙げる声が寄せられました。

他方、教員に対して、「関心を持つ”子どもの契約トラブル”」を尋ねたところ、「ゲーム等のオンライン課金」(18件)や「友人間でのお金の貸し借りに関する口約束」(14件)、「無料に見せかけたサブスクリプション契約」(13件)といった現代の若年層が安易に手を出しやすく、直面しやすい「少額から始まる金銭トラブル」が上位に挙げられました。

また、教員の85%が「現在の教育現場での契約・個人情報に関する教育機会が不足していると思う」と回答。一部教員からは「子どもたちというより、保護者世代の意識改革が必要だ」という意見もあり、契約リテラシーの向上には、子どもだけでなく親子一緒に学ぶ機会創出も進めていく必要があることが明らかとなりました。

加えて、教員の100%が、「体験学習を通じ、契約への理解を親子で深める機会の創出が必要」と回答しており、「授業では教科書を用いた説明や、トラブル事例を紹介する動画の視聴はあるものの、実践的な学習機会は十分に提供されていない」との声が寄せられました。

調査結果を踏まえて同社は、「成人後、不利な条件や予期せぬデメリットを見抜く力が備わっていない場合、契約トラブルに巻き込まれるリスクが高まることから、子どもを対象とした、契約リテラシーに関する学習機会の創出が求められている」とコメントしています。