何気なく「今日こんなことがあってね」と話したとき、「で、オチは?」「だから何?」と返されて、心が萎縮してしまうような経験は誰でも1度はあるでしょう。B.B軍曹さんが描いた漫画『相手の不安をなくす共感の仕方』では、そんな会話の目的を再認識できるような答えの1つが描かれています。
物語は作者の過去の苦い記憶から始まります。当時の彼氏に「疲れているのにスマホを見て夜更かししちゃった」と他愛ない話をすると、彼氏から返ってきたのは「だから何?」という冷淡な一言でした。意味のない話は時間の無駄だと切り捨てられ、ショックを受けた作者は、いつしか「意味のある話をしなければ」と自分にプレッシャーをかけるようになってしまいます。
しかし、現在の夫との生活でその不安は一変します。ついオチのない話をしてしまい、「効率の悪い話をしてごめん」と謝る作者に対し、夫は「ここは会議室じゃない」と優しく諭します。そして「答えの出ない不安をただこぼしあえるそういう関係が結局一番大事」と作者に優しく言うのでした。
読者からは「家で落ちのない話をしてしまうと、で?って聞かれるのが多々あり、あぁ…言わなきゃ良かったなって思う事が多いので、刺さりました」「いつもお言葉が素敵すぎます!」など賞賛の声が多くあがっています。そんな同作について、作者のB.B軍曹さんに詳しく話を聞きました。
■会話は「採点」されるものじゃない
ー「だから何?」と言われた瞬間の気持ちはどうでしたか?
頭が真っ白になる、が一番近いです。「この話、価値ないって判断されたんだ」と一瞬で理解してしまう。それまで普通に話していたのに、急に採点される側に回った感じというか。結論がない話や役に立たない話、時間を使わせる話と言うのは全部ダメ。そんな空気に変わるんですよね。それ以降は、「話したい」より先に「これ言って大丈夫かな?」が頭に浮かぶようになりました。
ー「意味のある話をしなければ」と思うようになった時のストレスはありましたか?
日常会話なのに、毎回プレゼンみたいになるんですよね(笑)結論や役に立つ話、なぜこの話をする必要がある?などを考えてからじゃないと口が開けない。だから、「今日こんなことがあってさ」みたいな軽い話ができなくなる。結果、どうなるかというと、何も話さなくなります。不安やモヤモヤはあるのに、「これは話す意味がないから」と自分で却下してしまう。あの時のしんどさは、否定されたこと以上に、自然に話す力が削れる感覚に近いのかもしれません。
ー「答えの出ないことをこぼし合える関係」を夫婦でどう実践していますか?
これといったルールは特にないんですが、「まず相手の話を聞く」、そして「会話のすべてにオチは求めない」ということなのかなと思います。話を聞いてもらえるだけで、不安って半分くらい小さくなるんですよね。正しいことを言われた時より、「隣にいてもらえた」って感じた時の方が、人って落ち着くのかもしれませんね。
(海川 まこと/漫画収集家)

























