今から7年前、事故に遭い倒れていた1匹の子猫。それが、Threadsユーザーの@rhdrw.anさんと、愛猫「翠(すい)」ちゃんとの出会いでした。生死の境をさまよい、一度は安楽死さえ提案されたといいます。懸命なケアを続けた日々を経て、どのようにして「かけがえのない家族」としての時間を刻み始めたのでしょうか。
■「まだ生きている!」生死をさまよう子猫を発見
2018年9月5日の夜19時頃、車を運転していた飼い主さんの目に、道路脇に倒れている子猫の姿が飛び込んできました。最初は、不幸にも事故に遭った野生動物だと思ったといいます。しかし、次の瞬間、確かな生命の鼓動を感じました。
「大きく呼吸をしているのが見え、『まだ生きている!』と気づき、驚いて近くの空き地に車を止めました。駆け寄ると、顔を強く打ったのか左目が飛び出し、口からも出血していました。あまりの衝撃的な姿に一瞬足がすくみましたが、『この子はまだ生きている』と自分に言い聞かせて抱き上げ、車に乗せました」
かかりつけの動物病院へ必死に連絡を入れ、時間外ながらも診察を受けられることに。それが、翠ちゃんと飼い主さんの長い戦いの始まりでした。
■チューブでの給餌…懸命な看護の日々
翠ちゃんは顎を骨折しており、自力で食事をすることができませんでした。首の後ろから胃へチューブを通す手術を受け、そのまま入院生活へ。
「毎日のようにお見舞いに通い、入院5日目に立って歩けるようになった姿を見たときは、本当に感動しました」
退院後は、自宅で1日4回、胃のチューブから給餌を行いながらご飯を与える日々が始まりました。
「口から食べた量を量り、不足分はチューブで補って毎日グラム単位で記録する生活……その時のメモは、今でも私の大切な宝物です」
ペット関係の仕事に従事していた飼い主さんは、職場に翠ちゃんを同伴し、付きっきりで世話を続けました。事故の影響で左目の視力を失い、当初はおもちゃにも興味を示さなかった翠ちゃんですが、回復するにつれてボールを追いかけ回すほど元気な姿を取り戻していきました。
■SNSが繋いだもうひとつの奇跡とは━
翠ちゃんは事故の後遺症で左目の視力を失っていますが、そんなハンデを感じさせないほど、毎日家中を元気に駆け回っています。
「仕事から帰ると玄関まで迎えに来て、寝室まで走って誘導し、床にゴロンと寝転がって『撫でて』と甘えてくれるんです。名前を呼ぶと飛んでくる、まるで犬のような一面もある本当に愛らしい子。左側は見えないはずなのに、そちら側からスリスリと寄ってきてくれる瞬間があって、そのたびに胸がいっぱいになります」
あの日、生死の境をさまよい、医師からは「安楽死」という選択肢さえ示された小さな命。けれど、飼い主さんの心に迷いはありませんでした。
「あの日、自分の手で抱き上げた命ですから。保護しないという選択肢は、最初からありませんでした」
そんな強い覚悟で始まった暮らしは、7年という月日を重ねました。飼い主さんは当時を振り返り、Threadsにある願いを投稿。「事故現場で翠のことを心配して声をかけてくれたあの方に、こんなに元気に育っていると伝えたい」-。
すると、奇跡が起こります。なんと、当時現場で声をかけてくれた本人から返信が届いたのです。
「翠ちゃん、そして飼い主様に、幸せな時間がずっとずっとずーっと続きますように」
まさに、時を超えた奇跡ともいえる“再会”。このやりとりには多くの祝福と感動の声が寄せられ、翠ちゃんの幸せを願う輪が優しく広がっています。
「私が支えているつもりでしたが、本当は何度も翠ちゃんに救われてきました。落ち込んだ日もつらい日も、そばにいてくれてありがとう。翠ちゃんは私の自慢の我が子です」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
























