砂利の上で見つかった、生まれたばかりの子猫。最初は鳴いていたものの、しばらくすると声を出さなくなり、ほとんど動かなくなっていました。保護されたときの体重は、わずか80グラム。そんな小さな命を受け入れたのは、血のつながりのない白猫でした。
子猫の声に反応し、自ら箱へ飛び込んだ白猫は、体を寄せ、舐めてお世話をするように。さらに、一緒に過ごし始めて3日ほどたったころ、団体のスタッフは思いがけない変化に気づきました。
この様子をInstagramに投稿したのは、動物愛護団体「アニマルスマイル香川」(@ask.anisumakagawa)。保護の経緯や、2匹のその後について話を聞きました。
■母猫を待っていた子猫が、動かなくなってしまった
子猫が見つかったのは、団体の知り合いが営むお弁当屋さんの駐車場の隣。砂利の上にいたといいます。
発見した人は、鳴いている子猫を見て、母猫が迎えに来るのではないかと様子を見ていました。しかし、しばらくすると鳴き声が聞こえなくなり、子猫はほとんど動かなくなってしまったそうです。
「生まれたてのようで、血まみれの状態でした」
保護された子猫は、男の子。「希望」と書いて「のぞみ」と名付けられました。保護時の体重は80グラム。その小さな体を育てる日々の中で、希望くんに寄り添う猫が現れます。
■赤ちゃんの声を聞き、自ら箱へ
希望くんのお母さん代わりになったのは、推定5歳の白猫「リリー」ちゃんです。出産や子育ての経験があり、現在は避妊手術を受けています。
投稿によると、希望くんが生後3日目ごろ、リリーちゃんはその鳴き声を聞いて近づいてきました。そのときの様子を、団体はこう振り返ります。
「うれしそうに寄ってきて、赤ちゃん猫を入れていた箱に自ら飛び込みました」
リリーちゃんは、自分が産んだ子ではない希望くんを受け入れ、体を寄せたり、舐めたりするようになりました。小さな体を抱きしめて眠る姿は、まるで本当の親子のようだったといいます。
■ミルクを飲ませる前なのに、体重が増えていた
一緒に過ごし始めて3日ほどたったころ、スタッフは希望くんの体重の変化に気づきました。まだスタッフがミルクを飲ませる前なのに、体重が増えていたのです。
「もしかしてとお乳をしぼってみたら、お乳が出ました」
団体によると、リリーちゃんから乳が出ていることを、このとき確認したそうです。出産したわけではなく、避妊手術も受けているリリーちゃん。その変化に、団体の皆さんも驚き、心を動かされました。
「血のつながりは関係なく、愛しそうに抱きしめて眠る姿に胸がいっぱいになりました」
希望くんを優しく抱きしめ、そばでお世話を続けるリリーちゃん。血のつながりを超えて親子のように寄り添う2匹の姿は、多くの人の心を温めました。
投稿には「わたしも胸がいっぱいになります。なぜこんなにも美しいのだろう」「この慈愛に溢れた優しさ」「すごい素敵です」「幸せになるんだよ」といったコメントが寄せられています。
■80グラムから470グラムへ 「一緒にもらってくれる人が見つかるとうれしい」
取材時点で、希望くんは生後3週ほど。保護時に80グラムだった体重は470グラムになり、順調に育っているといいます。リリーちゃんは今も希望くんを舐めてあげたり、寄り添ったりしながら、お母さん代わりを続けています。
団体は、希望くんがもう少し成長してから里親募集を始める予定です。これからの暮らしについて尋ねると、こんな願いを聞かせてくれました。
「一緒にもらってくれる人が見つかるとうれしいですが」
砂利の上で動かなくなっていた小さな子猫は、人の手で保護され、リリーちゃんに迎え入れられました。今はそのぬくもりに包まれながら、少しずつ大きくなっています。
いつか2匹が一緒に、安心して眠れる家へ。団体の皆さんは、そんな出会いを願っています。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
























