猫のめめくんに近づいていったのは、めめくんが大好きな猫のふうくん。ところが、めめくんが「シャー!」とひと声上げ、鋭い猫パンチを繰り出すと、ふうくんは背中からコロン…。まるで漫画のような倒れ方をする姿が、Instagramで笑いを誘っています。
投稿したのは、めめくんの飼い主「koko」さん(@koko.meme0713)。めめくんとふうくんは、どちらも男の子です。コメント欄には「ノックアウトォォォォォォ」「キジトラちゃんの倒れ方が漫画みたいにきれい!リアクション上手過ぎます」「アカデミー賞」といった声が寄せられました。
ふうくんの思わぬリアクションの背景には、どんなやりとりがあったのでしょうか。飼い主さんに聞くと、ふたりの性格や、少しずつ変わってきた関係が見えてきました。
■大好きなめめくんに近づいたら…
めめくんは、7月で4歳になった好奇心旺盛な猫。散歩やお出かけが大好きで、甘えん坊な一面もあります。ただ、自分のペースを大切にしたいようで、ぐいぐい近づいてこられるのは苦手なのだそうです。
一方、1歳のふうくんは、おっとりしながらも、やんちゃないたずらっ子。飼い主さんの娘さんと近所に暮らし、週に1回ほど、めめくんのおうちへ遊びに来ます。
「ふうくんはとにかく、めめが大好きなのです。家に遊びに来ると、めめに『あそぼー』って近づくのですが…」
ふたりの関係には、初対面のころの出来事が影響しているようです。娘さんがふうくんを保護猫として迎えようとトライアル中だったとき、小さな体でめめくんに突進。それ以来、めめくんはふうくんが来るたびに「シャー!」と声を上げるようになったといいます。
動画を撮影した日も、ふうくんは大好きなめめくんを追いかけていきました。ところが、近づいたところで「シャー!」。ふうくんは、背中からコロンと倒れてしまったのです。
飼い主さんも、ふたりの様子をハラハラしながら見守っていたところ、思わぬ動きに「あれっ! 倒れる」と驚いたそう。「もともとふうくん、猫のわりになんだか運動音痴?」と、普段の姿を思い浮かべながら笑います。
コメント欄では「斬られ役の『やられた~』的な演技」と表現する人も。ふうくんの見事な倒れ方に、思わずそんなせりふを重ねたくなる一場面でした。
■最近は「鼻チュー」ができるように
めめくんに威嚇されても、ふうくんの「大好き」は変わりません。近づいては「シャー!」や猫パンチを受けるやりとりが続いているそうですが、最近は少し変化も出てきました。
娘さんがふうくんと地元に戻ってきたのは、今年7月。近所に住み、休日に遊びに来るようになってから、飼い主さんは、めめくんの「こっちに来るなよ!」という反応が、以前より和らいだように感じています。
ふうくんがしつこく近づくと、めめくんは自分で安全な場所へ移動するようにもなりました。そして、このごろは鼻を寄せ合う「鼻チュー」をしたり、近くで過ごしたりすることもあるそうです。
「めめは、うーって唸っていますが」と飼い主さん。まだふたりのペースには違いがあるものの、そばにいられる時間は少しずつ増えているようです。
■目やにだらけの子猫が、会社の駐車場に
今では家族に笑顔を届けるめめくんも、もともとは会社の駐車場に迷い込んできた子猫でした。
出会いは4年前の7月13日。夕方、帰宅しようと駐車場へ向かった従業員が「子猫がいる」と戻ってきました。すると、その後ろを小さな猫が鳴きながら、とことこついてきたのです。
飼い主さんが「おいで」と呼ぶと、子猫は鳴きながらそばへ。毛はまだぱやぱやで、目は目やにでひどく汚れていました。
放っておけずに動物病院へ電話すると、休診日にもかかわらず診てもらえることに。段ボールに入れ、車で病院へ向かいました。
獣医師からは、生後45日ほどと説明されたそうです。目の症状はヘルペスウイルスによるものとされ、ノミ・ダニの処置を受け、おなかの寄生虫の薬も処方されました。
まずは会社で様子を見ることにし、毎日、目薬をさして顔を拭く日々が始まりました。
とても人なつっこかったため、飼われていた可能性も考え、警察や保健所、保護施設へ連絡。「うちの子かもしれない」と会いに来た人もいましたが、別の猫だったといいます。
当初は、日中に家を空けるため、飼うのは難しいと思っていた飼い主さん。しかし、お世話を続けるうちに情が湧いてきました。
「飼おう!日中は会社に連れてきて、一緒にいよう!」
会社はご主人が経営しており、従業員の理解も得られました。「めめ」という名前をつけてくれたのも、従業員だったそうです。
■毎日一緒に通勤する、会社の人気者
こうして家族になっためめくんは、今も毎日、車に乗って一緒に通勤しています。朝の通勤時に手を振ってくれる人や、会社を訪ねて「めめちゃんいる?」と声をかけてくれるお客さんも。めめくんも、ちゃんとあいさつをするそうです。
会社では好きな場所で眠り、ときには周辺や倉庫の中を“点検”。何より散歩が好きで、休日は朝から玄関の前で待っているといいます。晴れた休みの日に、めめくんとどこへドライブに行こうか考えることも、家族の楽しみになりました。
そんなめめくんとの暮らしが、ふうくんとの出会いにもつながりました。帰省するたびにめめくんに会っていた娘さんが、「自分も猫を飼いたい。飼うなら保護猫がいい」と譲渡会へ。「最初は見るだけ」のつもりが、そこで出会ったふうくんを迎えることになったのです。
「今はふうくんも増え、笑いの絶えない日です」
大好きだから近づきたいふうくんと、ほどよい距離で過ごしたいめめくん。思わず笑ってしまうやりとりの合間に見られる「鼻チュー」は、ふたりの関係が少しずつ変わっていることを感じさせてくれます。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
























