記事特集
阪神・淡路大震災の教訓を生かそうと、防災の専門学科として全国で初めて設けられた兵庫県立舞子高校(神戸市垂水区)環境防災科の一期生三十九人が二十八日、同校を卒業した。被災地を歩いてまちの復興の様子を調べたり、消防学校で訓練を受けたりと三年間、教科書ではなく、体験で防災を学んだ。今後は福祉や環境を学ぶ大学などに進み、社会で活躍する「防災人」を目指す。(宮本万里子)
同科は二〇〇二年春に新設され、一期生は全員が小学二年生の時、神戸や西宮市などで震災を経験。地震や津波のメカニズム、まちづくり、心のケアなど防災について幅広い角度から学び、昨年は豊岡市など台風23号の被災地でボランティア活動にも取り組んだ。
母校を巣立つ生徒らは震災の教訓を胸に、それぞれの進路を選択。カウンセラー、防災を教える幼稚園教諭、消防士など新たな目標に向け、大学や専門学校などに進む。
震災で母親を失った長尾美幸さん(17)=神戸市長田区=は、仮設住宅で高齢者のボランティアをしていた父親の影響を受け、福祉の仕事に就こうと同科に入学。卒業後はヘルパーになるための勉強を始めるという。
三年間を「吸収することばかりで有意義だった」と振り返り、同科の後輩らに「恵まれた環境を生かし、やりたいことを見つけてほしい」とエールを送った。
卒業式では、中杉隆夫校長が「大きな視野と未知の世界に飛び込む勇気をもった人になってください」と生徒らを激励。一期生らは担当教諭らにメッセージの言葉を書いた色紙などを手渡し、感謝を伝えた。
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