記事特集
兵庫県は二〇〇六年度から、阪神・淡路大震災の復興住宅に高齢世帯生活援助員(SCS)が常駐する「自立支援拠点」を順次開設する。「巡回型」だったSCSの見守りサービスを、〇九年度までに「常駐型」に移行し、コミュニティーづくりにも役立てる。国は高齢者向け住宅で常駐型の見守りサービスを展開しているが、一般住宅にも常駐拠点を設ける兵庫独自の試みは、震災の教訓を生かした超高齢社会での取り組みとして注目を集めそうだ。(岸本達也)
被災地では、福祉現場で働いた経験がある九十八人が、復興住宅の被災高齢者を週一回のペースで訪問し、安否確認や生活相談などを行っている。現在の見守り対象は百九十六団地、約二千四百人に上る。
復興住宅の高齢化率は43・8%(二〇〇四年)と、一般県営住宅の17・7%(同)に比べ際立って高い。加齢に伴い閉じこもりがちな高齢者が増える傾向にあり、自治会などコミュニティー活動の停滞を招けば「孤独死」が増加する恐れもある。今後も高齢化の進行が見込まれるため、県は「訪問だけでは限界がある」と判断した。
高齢者向けの「シルバーハウジング」では、国の制度として生活援助員(LSA)が常駐しているが、県が設置した「復興フォローアップ委員会」は十一月、一般住宅での見守り拠点の開設を県に提言していた。
県は今後、SCS事業に取り組む神戸、西宮など八市と調整を進め、ニーズの高い団地から、集会所や空き部屋を活用した常駐拠点を整備。非営利団体や社会福祉法人に運営してもらい、地域内の周囲の復興住宅も対象に活動してもらう。住民同士や地域との交流なども支援する。
基金事業は二〇〇四年度で終了する予定だったが、SCSなどの高齢者見守りサービスは基金の残余金を生かし、〇九年度まで延長された。拠点づくりも基金事業として展開し、一〇年度以降は一般施策としての継続も検討するという。
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