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阪神・淡路大震災で亡くなった六千四百三十三人分の光が、神戸市灘区のJR六甲道駅南地区の防災公園にともされた。復興再開発事業が十年八カ月を経て完了。十七日のまちびらきイベントで、住民らが「忘れない」の誓いを新たにした。
同地区は約千四百人が住んでいたが、家屋の65%が全半壊。現在は、耐震性の高い防火水槽を備えた防災公園の周囲に高層マンションが並ぶ。
光のモニュメントは、鎮魂とともに、水とぬくもりの大切さを忘れまいと神戸市などが企画。水を満たした六千四百三十三本のペットボトルをピラミッド型に組んだ。中から点灯すると、ほのかな光が浮かび上がった。
成徳小学校父親会の岩瀬好英さん(42)は「震災経験のない新住民が増えているが、教訓を生かしたまちづくりを進めたい」と話した。
■喜び全身で 6433人の光「忘れない」
阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸市灘区のJR六甲道駅南地区で十七日、復興市街地再開発事業の完了を記念したイベント「六甲道まちびらき行事」が開かれた。再開発ビル十四棟に加え、この日までに防災公園と駅前広場が完成。式典のほか、地元の子どもらが特設ステージでミュージカルを披露し、わが町の復興を祝った。
同地区は、震災時に六百六十世帯約千四百人が住んでいたが、家屋の約65%が全半壊。一九九七年に復興市街地再開発事業に着工し、再開発ビルには既に約二千人が入居している。災害時の避難場所となる防災公園(約一ヘクタール)は、井戸などがあり生活用水が確保できるほか、耐震性防火水槽や仮設トイレの設置スペースもある。
イベントは、今年二月に住民ら約四十人が実行委員会を作り、準備を進めてきた。記念式典では上野貞治会長(76)が「住民が協力し、人が集い、活気のあるまちにしていこう」などとあいさつ。会場では復興の過程を紹介するパネル展のほか、屋台も並び、親子連れらでにぎわった。
午後六時から、特設ステージで三歳から中学生の約六十人がミュージカル「星の王子さま」を上演。六月から週二回の練習を続けてきた成果を披露した。ステージ前には約千人が集まり、熱演に大きな拍手を送った。
震災で自宅が全壊、約五年前に六甲道に戻ってきた今井礼子さん(77)は「立派に復興した。子どもの声が響くまちにしたい」と目を細めていた。イベントは十八日も開かれる。(中島摩子)
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