記事特集
阪神・淡路大震災から十一年を迎える兵庫県内の学校耐震化で、高校と小中学校の着手率の格差が広がっている。対象となるのは一九八一年以前の建物で、県立が九割以上を占める高校は100%近くに達しているのに対し、市町立の小中学校は約60%。県と市町の財政規模の差や被災市町の深刻な財政難が影響しているが、小中学校は多くが災害時の避難所に指定されており、対策が急がれる。
兵庫県教委の二〇〇五年度の調査によると、耐震化の対象となる建物が占める割合は、高校が67・5%。小中学校では、阪神南地域が80・2%と最も高く、中播磨、東播磨、神戸、阪神北の順で続いている。
一方、耐震化の着手率(耐震診断を含む)をみると、高校の97・1%(〇四年度75・8%)に対し、小中学校は62・7%(同49・7%)。被災地の阪神南、阪神北地域で遅れが目立つ。
阪神南の芦屋市は着手率33・3%。そのうち耐震化工事を終えた耐震化率は12・1%と低い。被災後の財政難が続き、耐震化工事の際に必要な仮設校舎が準備できないため、工事を夏休みなどに実施。担当課は「必要性は認識しているが、負担が厳しい。少しずつ進めるしかない」と話す。
同じ阪神南の西宮市は着手率は92・1%と高いが、耐震化率は12・2%にとどまる。やはり財政難から、大規模で緊急度の高い校舎などを優先し、それ以外は「未定」という。
また、神戸市は〇五年度中に着手率は100%になる見込みだが、昨年から問題となっているアスベスト(石綿)対策で、耐震化の工期や経費に影響が出ているという。但馬などでは、市町合併を控え、耐震化計画を立てにくかった地域もある。
一方、県教委は耐震化が必要な全県立学校について二〇一三年までに工事を終える予定。〇五年度からは体育館の工事を優先し、スピードアップを図る。(宮本万里子)
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