■宝塚5-0明石清水 堂々の第1シード撃破だ。宝塚は打線が17安打と活発に攻め、エース安村は小気味良く2試合連続の完封。最後まで主導権を譲らず、神吉監督は「元々ポテンシャルは高かったが、この夏によく応えてくれた」と選手たちの頑張りをたたえた。 相手は昨秋ベスト8の明石清水。「強いと思ってしまえば心が負けてしまう。打者を細かく分析した」(安村)と、捕手の松井爽主将とともに配球を工夫した。切れのある直球で内角を突き、カットボールで芯を外す。要所で低めに決まり、松井爽主将は「今までで一番」とうなずいた。 試行錯誤の日々が報われた。春に神吉監督と西尾部長が赴任するまで、野球経験のある顧問が不在だったという。自分たちでノックを打ち、作戦を考える。培った自主性に、若き指導者たちが理論や技術を注いだ。 自らのアイデアで成長した選手に、この日2安打2打点の福元がいる。昨秋、プロ野球日本ハムの万波中正の練習動画をヒントに、打席で足をクロスして構えてみると「合っていた」。フォーム変更後は打率3割を維持し、今大会は4割を優に超える。「チームもこのままの勢いで」と福元。熱く長い夏を送るつもりだ。(山本哲志)【高校野球特集ページ】こちら【選手名鑑ページ】こちら