明石市は4日、老朽化が進む大久保市民センター(同市大久保町大窪)について、現施設の西側約100メートルの位置にある市有地に移転、再整備する方針を示した。市の財政負担軽減を図るため、民間施設の併設も検討する。一方、JR大久保駅南側の日本たばこ産業(JT)工場跡地では、公園や図書館などの整備を検討していることも明らかにした。(谷川直生)
同日の市議会本会議一般質問で、竹内きよ子市議(明石かがやきネット)の質問に、山口泰寛プロジェクト部長が答えた。
同センターは地上3階建て鉄筋コンクリート造りで、1982年の完成。市によると、耐震診断で耐震性能の不足を指摘されていたという。
移転先は、中部地区保健福祉センター用地(約3600平方メートル)として市が保有する土地。2000年に旧市土地開発公社が取得したが、介護保険制度の見直しやあかし保健所の設置などで同センターの整備は見送りに。14年度以降、時間貸し駐車場として民間企業に貸し付けてきた。
山口部長は「耐震改修を行っても耐用年数を大きく延ばすことは期待できず、近い将来の建て替えが必要になる」と説明。地元で実施したワークショップなどで民間活用を望む声があったとし、「総合的に勘案して移転整備したい」と述べた。
移転後の現市民センター跡地は、売却や貸し付けによる民間活用を検討する。
また、大久保駅周辺について、山口部長は「小規模な公園はあるが、イベント会場として使える規模の大きい公園が不足している」と説明。JT跡地に「緑豊かでゆとりのある公園」や図書館などの施設の導入を検討しているとした。
市は10日にある市議会総務常任委員会で、大久保駅周辺の市有地利活用の全体構想案を報告する。