一昨年のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の脚本を手がけた吉田恵里香さんを招いた講演会が、アスピア明石(兵庫県明石市東仲ノ町)北館の子午線ホールであった。市民ら約260人を前に、吉田さんが作品に込めた思いや制作の舞台裏を語った。
市の「明石にじいろキャンペーン」の一環。「『はて』からの対話で『ありのまま』の社会を紡ぎだす第一歩へ」と題し、元明石市専門職員の増原裕子さんと対談した。
「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人で後に裁判官となった三淵嘉子さんがモデル。男女格差や民主主義、戦争責任や性的マイノリティーなどさまざまな社会問題を扱った。
主人公の寅子(ともこ)が不条理な状況に直面した時の口癖「はて?」は、「自問の意味もあり、相手の心のシャッターを閉めさせない、対話のための投げかけだった」と吉田さん。性的マイノリティーの登場人物については「社会にいる当たり前の存在として、きちんとさまざまな人に焦点を当てたかった」と語った。
また、「与えられた題材に誠実に向き合いたい」と、実際に三淵さんが関わった被爆者が国に損害賠償を求めた原爆裁判の判決文を読み込んだという。
1人の人物を多面的に描くなど、創作のこだわりについても語った吉田さんは「平和の下でしか成り立たない職業。少しでも社会が良くなるような、面白い物語を書き続けたい」と力を込めた。(赤松沙和)























