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スマートフォンで、番組ナビゲーターのChizuRuさん(左)を撮影する村上二郎さん=洲本市塩屋1
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スマートフォンで、番組ナビゲーターのChizuRuさん(左)を撮影する村上二郎さん=洲本市塩屋1

 スマートフォンに向かって、「みなさん、こんにちは」。どこかほんわかとした雰囲気で、撮影が始まった。

 ユーチューブ番組「ChizuRu(チヅル)のちょいと淡路島」。手掛けるのは、神戸市須磨区に住む夫婦デュオだ。淡路市岩屋出身の歌手ChizuRuさんが進行役として出演し、夫でギタリストの村上二郎さん(61)がスマホとタブレットで撮影して10分程度に編集する。

 淡路島で活躍する人を中心に取材を重ね、素顔に迫る。台本は作らず、フリートーク。感染対策をしながら、時に撮影は2時間に及ぶ。

 2年余り前から続け、これまでに淡路弁4こま漫画の制作を続けるイラストレーターや、カフェの経営者、自撮りで表現する写真家らが登場。18回まで配信した。「島で頑張る人を広く伝えたい」と、じわじわ視聴者を増やす。

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 2人は2007年、音楽を通じて出会った。ChizuRuさんが、村上さんの率いるバンドに加入。神戸を拠点に演奏し、11年に結婚した。

 15年には、島の祭りや特産品、四季を歌った「ふるさと淡路島小唄」を発表。デュオとして活動を始めた。神戸で暮らす沖縄や奄美群島出身者が、郷土の音楽を大切にしていることを知り、「淡路島の歌を作ろう」とChizuRuさんが作詞作曲した。

 小唄を島内各地で披露するうち、地元に根を張り、愛着を持って生きる人たちに心を動かされた。「淡路島のことを話すと、目の輝きが変わるような郷土愛がうらやましくて」と神戸出身の村上さん。「その感動をユーチューブで共有したいと思った」

 新型コロナウイルス禍で歌う機会は減ったが、小唄をさらに知ってもらう願いも込め、手作りの番組に熱意を注ぐ。

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 反響は、「知っている人からは感想が寄せられるけど、そのほかはどれだけ見てくれているか…」といったところ。本業の「ユーチューバー」ではないからと、どこまでも自然体で臨んでいる。

 「取材で勉強しながら、島の人が知らないことを、ちょっとでも伝えていけたら」と2人。今月下旬、19回目の配信は、洲本市在住の画家にスポットライトを当てる。(上田勇紀)

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