震災から約1週間後の様子を記録したビデオテープに映る北淡診療所の医師井宮雅宏さん(元県立淡路病院医師・栗栖茂さん提供の映像から)
震災から約1週間後の様子を記録したビデオテープに映る北淡診療所の医師井宮雅宏さん(元県立淡路病院医師・栗栖茂さん提供の映像から)

 「引き出した人が1人でも助かったらええなと。あとは遺体の確認ばかりです」。緑色の医療服にマスク姿の男性が淡々と答える。

 30年前、阪神・淡路大震災で、大きな被害を受けた北淡町(現淡路市)。地震発生から約1週間後の様子を記録したビデオテープの映像に、北淡診療所(同市育波)の医師井宮雅宏さん(66)の姿があった。