映画「男はつらいよ」シリーズなどで知られる山田洋次監督が12日、シリーズ最終作のロケ地だった神戸市長田区を訪ねた。地元住民の願いに応え、阪神・淡路大震災の年に撮影を行ったゆかりの深い街。十数年ぶりの来訪で、当時を知る関係者との再会を果たし、山田監督は「懐かしいな」と笑顔を見せた。
友人である横尾忠則さんの作品が展示されている「横尾忠則現代美術館」(神戸市灘区)を訪ねた翌日、長田にも足を伸ばした。
JR新長田駅前の鉄人28号モニュメントや、シリーズ最終作「寅次郎紅の花」のラストシーンを撮影した「すがはらすいせん公園」などを訪れた。
撮影にエキストラとして参加した住民らと旧交を温め、「生涯いくつもない大事な思い出の場所」と話した山田監督。「震災前は暮らしやすい街だったんだろうなと、みなさんの会話から想像できた」と撮影を振り返っていた。(初鹿野俊)