今月15日で太平洋戦争の終結から70年を迎えるのを前に、宮内庁は1日付で、1945年に昭和天皇がラジオで終戦の詔書を読み上げた「玉音放送」について、原盤レコードの音声を初めて公開した。報道機関には撮影も認めた。
これまでテレビ番組などで放送された音声はいずれも複製。これと比べ、原盤はテンポが速く、録音時間が10秒ほど短い4分30秒だった。声が高く明瞭なほか、抑揚なども昭和天皇の肉声により近いことが、宮内庁が今回に合わせて行った調査で判明した。
また、皇居の防空壕(ごう)として建設され、昭和天皇が戦争終結を決断する舞台となった「御文庫付属室」についても、内部や外観の写真と映像を公開。原盤の音声とともに順次、宮内庁のホームページで視聴が可能になる。宮内庁は、公開の理由を「終戦関連の双璧とも言える象徴的な資料を戦後70年の機会に広く国民に知ってもらうことは非常に意義があると考えた」と説明。
原盤は、同じ音声を収録した2枚組みと3枚組みの計5枚。全て同じ缶に入れて皇室の所蔵品「御物」として保管していたが、3枚組みの1枚は割れていたため、2枚組みの音声を昨年12月にデジタル録音した。