神戸市立王子動物園(同市灘区王子町3)に、個性的な寝相で入園者の心をわしづかみにするコアラがいる。5月中旬に繁殖目的で名古屋の動物園からやってきた新入り、雄のピーター(2歳)。「ポールダンサー」や「おっさんくさい」と評される姿が口コミや会員制交流サイト(SNS)で話題になり、早くも同園の人気者の仲間入りを果たしている。(真鍋 愛)
5月末に一般公開が始まって程なく、展示室前に人だかりができるほど注目を浴びるようになったピーター。人気の理由はずばり、寝相にある。
同園によると、コアラは普通、両手両足で木にしがみつき、前かがみになって眠る。ピーターも来園当初は緊張からか一般的なスタイルで眠っていた。だが、新しい環境に慣れると、徐々に絶妙なバランス感覚を発揮し始め、樹上でさまざまな寝姿を見せるようになったという。
片手だけで木をつかみ、両足で器用に木を挟むような姿は、飼育員いわく「まるでポールダンサー」。また、木に背を預けて枝に腰掛け、足を投げ出すような寝相は「まだ2歳なのにおっさんくさい」と評判だ。入園者からは「だらけているような姿がかわいい」とひっきりなしに写真のモデルにされている。
独特の寝相は、実は名古屋にいたころからツイッター上でたびたび話題になっていたという。王子動物園も今月中旬に公式ツイッターで寝ている写真を紹介したところ、1日で100件近いリツイートがあった。同園での生活にもすっかり慣れた様子といい、同園は「かわいい寝姿をぜひ生で見て」とPRしている。