24日午後2時10分ごろ、兵庫県丹波篠山市黒岡で、同市の無職女性(76)が運転する乗用車が整骨院に突っ込み、店舗入り口などが壊れた。県警篠山署などによると、女性は骨折の疑いで搬送されたが、命に別条はない模様。従業員らにけがはなかった。
整骨院の防犯カメラ映像では、車は向かいにあるスーパー駐車場を発進し、そのまま減速することなく道路を横切って整骨院の入り口に突入。ドアを突き破り、待合室の壁に衝突して停止した。
整骨院の施設管理者の男性(59)によると、事故当時は午前と午後の営業の間の休憩時間。待合室に客はおらず、従業員も建物裏手で作業していたため無事だった。男性は従業員からの連絡で駆けつけ、運転席の足元に寝転んだ状態で動けなくなっていた女性を、介護の技術を生かして引き出し、救助したという。
正面入り口は大破し、待合室の壁に大きな穴が開き、反対側にある部屋の壁も大きくゆがんだ状態。男性は「休憩後の営業再開は午後3時で、いつも午後2時半にはお客さんが待合室に来る。誰もいなくて本当に良かった。事故があと20分遅く起きていたら…」と胸をなで下ろした。
篠山署によると、女性は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話しているという。
整骨院は神戸新聞の取材に対し、事故の映った動画を提供。男性は「高齢の人が、車の運転について考え直すきっかけにしてほしい」と話している。