米大リーグ(MLB)はイチローさんや大谷翔平選手の活躍で、今や日本のプロ野球に負けない人気だが、「その礎をつくった男」と呼ばれる人がいる。戦後間もない頃から、大リーグの試合をラジオで聞き、地道に米球界に人脈を築いた西脇市出身の歯科医、故・今里純さんだ。その足跡を紹介する初の伝記「ベースボールと野球を繫いだ男」(ヘソノオ・パブリッシング)が出版された。(津谷治英)
今里さんは1928(昭和3)年、大阪市で生まれ、大阪歯科医学専門学校(現大阪歯科大)を卒業後、歯科医になった。
大リーグと英語が好きで、戦後は進駐軍向けの短波放送を聞きながらスコアブックに記録。分からないプレーや専門用語は放送局に手紙を書いて質問した。
次々と手紙を送ってくる今里さんに感心した放送局スタッフは、ゲーム中継の途中、「日本のイマザト、聞いているかい」とアナウンスするように。選手の間でも熱心なファンとして知られるようになった。
























