神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 兵庫県伊丹市西台1の飲食店で2022年12月、鉄板の上に置いたカセットこんろが爆発して利用客の60代女性が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた元店主の男(77)=同市=の判決公判が18日、神戸地裁であった。入子光臣裁判官は禁錮10月、執行猶予3年(求刑禁錮1年)を言い渡した。

 判決によると、男は同月1日夜、テーブル席にある鉄板のスイッチを切らないまま、肉を焼くためのこんろを置いてガスボンベを爆発させ、胸にボンベが当たった女性を心臓損傷で死亡させた。

 入子裁判官は、爆発のおそれがあるボンベを鉄板上に置く際、男にはボンベを加熱しないようにする注意義務があったと指摘。「漫然とスイッチを切らないままこんろを置いたため事故を引き起こし、過失の内容は重大」と述べた。

 一方で、女性の遺族に損害賠償計1500万円を支払い、示談が成立していることなどを踏まえ、執行猶予を付けた。