尼崎市内の路上から20代の男性が車で連れ去られた事件で、兵庫県警捜査1課と暴力団対策課、尼崎東署は24日、男性を大阪府能勢町内の家屋で殺害したとして、殺人の疑いで、能勢町下田の指定暴力団東組系組員三谷晃平容疑者(27)=逮捕監禁罪で起訴=ら男4人を再逮捕した。男性の遺体は見つかっていないが、県警は高知県内で遺棄されたとみている。
ほかに再逮捕されたのは、大阪府和泉市伏屋町5の無職畠山琢磨容疑者(33)▽堺市中区新家町の無職江口雄星容疑者(26)▽尼崎市内に住む無職の男(19)。捜査1課は4人の認否を明らかにせず、男性の名前も「親族が危険にさらされる恐れが強い」として公表していない。
再逮捕容疑は6月11日午後9時半~翌12日午前0時50分ごろ、尼崎市大物町1の路上や能勢町宿野の家屋などで、同市在住で職業不詳の男性(23)に殴る蹴るの暴行を加え、さらに刃物で左太ももを突き刺し、殺害した疑い。
男性が連れ去られたのは、阪神電鉄大物駅から約200メートル東の路上。捜査関係者によると、走って逃げていた男性は現場付近で追いつかれ、暴行を受けた後に車に押し込まれたという。
県警は7月3日以降、三谷容疑者ら4人を含む男女10人を逮捕監禁や犯人隠避、証拠隠滅、死体遺棄などの容疑で逮捕していた。男性の遺体は見つかっていないが、連れ去り先とされる家屋の状況や関係者の供述から、殺害されたと判断した。
能勢町の家屋は連れ去り現場から北に約30キロ離れており、第三者が所有。県警の現場検証後に解体され、既に更地となっている。三谷容疑者はこの家屋から約5キロ南西に住んでいた。
県警は防犯カメラの映像をつなぐ「リレー捜査」などで足取りを追跡。容疑者らが遺体を京都府南丹市や高知県大豊町で別の車に載せかえ、同県大川村付近で遺棄したとみている。
県警は男性と容疑者らの間でトラブルがあったとみて捜査している。