古典の名作「白鳥の湖」を翻案、「The Lake」として新たに制作した振付家の森優貴さん=神戸市灘区
古典の名作「白鳥の湖」を翻案、「The Lake」として新たに制作した振付家の森優貴さん=神戸市灘区

 貞松・浜田バレエ団(神戸市灘区)が新作「The Lake」を3月16、17日、兵庫県立芸術文化センター(西宮市)中ホールで上演する。「創作リサイタル」シリーズの35回目で、古典の名作「白鳥の湖」のエッセンスを現代社会によみがえらせた新たな物語。演出・振付は同バレエ団出身の森優貴さん。「自分の中にある死生観を表現した」と話す。

 事故で娘を失った母と、母の愛に飢えた息子、崩壊した家族から逃げ出す父を中心とする物語で全2幕。

 1幕では湖畔の部屋に彼ら3人と、同様に大切な人を失った人々が集い、悲しみを共有する。濃密な群像劇のようで「観客にかなり緊張を強いるかも」と森さん。2幕は一転、開放的な湖の空間で母が娘の魂と再会する。善と悪、白と黒など「白鳥の湖」が表現する二面性を、1、2幕のコントラストに移し替えた。