浪曲語りで初めて、姫路市出身の京山幸枝若(こうしわか)さん=本名福本一光、吹田市在住=が人間国宝に認定されることになった。17歳で父の初代京山幸枝若に弟子入りし、芸を磨くこと53年。明治から昭和にかけて大衆娯楽として人気を博した浪曲に、再び光が当たることを喜ぶ。「現代の日本人が1回は聞いたことがある、というくらいの知名度にしたい。若者たちの間でもブームを巻き起こしたい」と胸の内を熱く語った。(津田和納)
幸枝若さんは1954年、浪曲師の父と曲師の母の間に生まれた。両親は当時、人気だった浪曲の興行に出かけることも多く、自然とその道へ。昼間は工場で働きながら定時制高校に通う日々。時間を見つけては一門の十八番で任侠(にんきょう)物語の「会津の小鉄」シリーズなどをテープで聞いて覚えた。