クラシック音楽の普及に取り組む「アルカディア音楽芸術財団」(芦屋市)が視覚障害者を盲導犬同伴で招待してきた「盲導犬とともに音楽を愛(め)でる会」コンサートが30回目を迎えた。盲導犬育成にも毎年10万円の寄付を続け、終演後にはステージで日本ライトハウス(大阪市)から感謝状が贈られた。(松本寿美子)
同財団は1980年、フルート奏者の理事長の中村八千代が設立した団体が前身。93年、中村の母親が目の病気で入院したのを機に支援を思い立った。芦屋市内で開業していた眼科医、安井多津子さんに相談すると「医学には限界があり障害を取り除いてあげられないけど、音楽は勇気を与えられる」と励まされ、盲導犬とはいえ犬同伴で入れる施設が限られた当時、演奏会に招き始めた。