兵庫県警察本部=神戸市中央区
兵庫県警察本部=神戸市中央区

 兵庫県警外事課の警部補や巡査部長ら約10人が勤務時間中に飲酒やパチンコを繰り返していたとして、県警監察官室の調べを受けていることが、関係者への取材で分かった。おおむね事実関係を認めているもようだ。県警は職務を怠り、信用を失墜させる行為に当たると判断。監督責任者にあたる上司を含め、十数人を近く処分する。

 外事課は重要技術の国外流出や戦略物資の不正輸出といった経済安全保障の事件捜査、国際テロ対策などを担当。警察庁の指揮下で秘密裏に動くケースが多く、現場に適切なチェックが行き届いていなかった可能性がある。

 関係者によると、処分を受ける警察官のうち、行為が特に悪質とされた捜査員の数人と、上司の数人が懲戒となる見通し。監督責任に基づく処分は、懲戒に至らない訓戒・注意にとどまることも多いが、今回は現場の捜査員が集団で規律違反に及んでいたことなどを重く見たとみられる。

 捜査員の数人は外出先で居酒屋や立ち飲み店などに入り、飲酒していた。飲酒後の公用車の運転は確認されなかったという。また数人は勤務中にパチンコ店へ入り、遊んでいた。

 捜査・分析の対象となる人物の行動確認などの業務中だったとみられ、調べに「待ち時間が長くなることがあり、時間つぶしのつもりだった」などと説明する捜査員もいたという。

 警察では捜査のための尾行や張り込みなど業務で必要な際には、許可を得てパチンコ店や飲食店を利用することもあるが、今回は業務とは認められなかった。

 外事課は公安1~3課や災害対策課などと同じ「警備部門」に属している。県警では1月にも、勤務時間中にパチンコをしていたとして、東播地域の警察署で警備部門に所属していた巡査部長を減給の懲戒処分としている。

 一方、県警の警察官9人がオンラインカジノ(オンカジ)賭博の容疑で書類送検された問題で、県警は9人を近く懲戒処分とする方針を固めた。

 オンカジ問題と外事課の不祥事による処分で、県警の今年1年の懲戒は40人を超え、警察改革が始まった2000年以降で最多になる見込みとなった。これまでは自動車警ら隊(当時)の捜査書類捏造で大量処分があった04年の37人が最も多かった。