「関係のないこと」
「関係のないこと」

 現代社会の空気感や人々の心情をすくい取る。本書はそんな五つの物語を収めた短編小説集だ。都会の孤独と空虚、効率という名の軽薄さ、閉塞(へいそく)感と脱出願望…。各作品のストーリーに関連性はないが、主題を変奏し、重なり合うかのように編まれ、流れていく。