エンゲージスーツプロジェクトを立ち上げた「神戸洋服~中山手縫製所~」の畑竜次代表=神戸市中央区中山手通2
エンゲージスーツプロジェクトを立ち上げた「神戸洋服~中山手縫製所~」の畑竜次代表=神戸市中央区中山手通2

 婚約指輪のお返しとして「神戸洋服」のオーダーメードスーツを贈る取り組みを、神戸・三宮の紳士服仕立て店が始めた。その名も「エンゲージスーツプロジェクト」。高い縫製技術を持つ職人が、予算や要望に応じて製作する。明治期以来150年余り続く産業を次代に残すため、地域の新たな文化として継承したいという。

 「神戸洋服~中山手縫製所~」(神戸市中央区)代表の畑竜次さん(48)が発案した。神戸ものづくり職人大学(2018年閉校)の出身で、採寸から縫製まで1人で手がける。基本の型は用いず、依頼者一人一人のパターンを忠実に手書きする「注文洋服式製図」で仕立てる全国でも数少ない技術を持つ。着る人との対話を重視し、体形や好みなどを丁寧にヒアリングする。