生長点を食べるハイマダラノメイガの幼虫(兵庫県病害虫防除所提供)
生長点を食べるハイマダラノメイガの幼虫(兵庫県病害虫防除所提供)

 キャベツなどのアブラナ科野菜類の成長を止めてしまうハイマダラノメイガが平年より多く発生しているとして、兵庫県病害虫防除所(加西市)は24日、県内全域に病害虫発生予察注意報を出した。予防的な防除の徹底を呼びかけている。

 注意報の対象はキャベツやハクサイ、ブロッコリー、ダイコン、チンゲンサイなどアブラナ科野菜類と、ストックなどの花き類。同防除所は10月下旬まで発生するとしている。

 ハイマダラノメイガは「ダイコンシンクイムシ」の別名があるガの仲間。育苗期から畑に植えた後にかけて、幼虫が生長点付近に入り込んで食い荒らす。生育初期に食べられると成長が止まってしまい、キャベツの場合は結球しなくなる。

 ハイマダラノメイガが好む植物を用いた6月以降の調査では、被害に遭った芽の割合が平年より高かった。特に7月第3週は、被害が多発した2022年を含む過去10年で最高だった。既に県内のチンゲンサイで被害が確認されている。

 今後、気温が平年より高く推移すると予想されるため、さらなる発生の増加が見込まれるという。同防除所は「被害が出てからでは手遅れとなるので、苗を植えるときに農薬をしっかりと使ってほしい」としている。(長尾亮太)