神戸在住の女性が、日本文化や手仕事の魅力を「香り」を通して伝えるブランド「MCKK(エムシーケーケー)」を立ち上げた。効率や合理性が重視される世の中で、無駄と思われがちな「寄り道」を楽しみ、自分自身の感覚に意識を向けてもらおう-。そんな思いを商品に込め、第1弾として、淡路島の職人が製作した3種のお香などを発売した。(谷口夏乃)
ブランド運営会社Slime(東京)代表の閏間絵里加さん(29)。大阪市出身で、東京都内のIT企業を経て、2021年に自身の会社を起こした。24年末、山と海が近い環境にひかれて神戸に移住した。
仕事に追われていた23年秋。休暇を兼ね3カ月ほど欧州を旅した。チェコの首都プラハで出会った人たちは、日本のポップカルチャーだけでなく、歴史や伝統文化にも詳しかった。「日本文化への知識があるほうだと思っていたが、上には上がいると痛感した」
日本文化の価値を再認識し、帰国後は東北や瀬戸内などを訪れ、地域に根付く伝統工芸や産業、暮らしを見て回った。そして今年6月、ブランドを創設した。