神戸港のコンテナ岸壁=神戸市中央区、ポートアイランド2期
神戸港のコンテナ岸壁=神戸市中央区、ポートアイランド2期

 神戸税関が17日発表した8月の神戸港貿易概況は、輸出入総額が前年同月比0・9%増の9613億円で、3カ月続けてプラスだった。輸出は2カ月ぶりにマイナスに転じ、中でも米国向けは10・7%減で5カ月ぶりに減った。ただ、前年同月に電気計測機器などでまとまった輸出があった反動の減少といい、同税関は「米国の関税政策の影響と明確に言えるものはなかった」としている。

 輸出は1・2%減の5851億円。電気自動車(EV)の需要が盛り上がらず、リチウムイオン電池の材料を含む無機化合物がポーランドや米国向けを中心に減少した。前年同月にあったシンガポール向けの船舶輸出がなくなったことなども響いた。

 一方、半導体の需要堅調を受けて半導体等製造装置の輸出が大きく伸び、8月として最高額を更新。台湾や中国向けの増加が目立ち、地域別でもアジア向けは8月の最高額となった。

 輸入は4・3%増の3762億円。主に欧州などからのたばこや医薬品などが伸びた一方、加熱用・冷却用機器や家具などが減った。地域別では2カ月ぶりに増加に転じた欧州連合(EU)の伸びが目立った。

 平均為替レートは1ドル=147円73銭で、前年同月比3円16銭の円高となった。(大島光貴)