1960年代後半から70年代後半。内橋克人、30歳代から40歳代。その後の飛躍の基礎となる重要な仕事が生まれた。「『安宅(あたか)崩壊』以後」(78年、徳間書店)。副題は「これからの昇進・仕事・人間関係」だ。安宅産業は04(明治37)年創業の老舗で鉄鋼、機械、パルプ、木材の取り扱いを中心に業容を拡大し、十大総合商社の一角に成長した。70年代、米国子会社での巨額の債権焦げ付きから経営危機に陥り、メインバンクの住友銀行(現三井住友銀行)の主導で伊藤忠商事に吸収合併された。従業員3600人、年商2兆円の巨大商社の事実上の経営破綻、解体、消滅だ。