「落ち着いて聞いてください。もう…もう戦争は終わったというのです」。78年前の8月15日、旧満州(中国東北部)にいた大中京子さん(96)=尼崎市=は、突如参戦したソ連軍から着の身着のままで逃げる途中、敗戦を知らされた。それは日本の傀儡(かいらい)国家「満州国」の崩壊も意味していた。5歳の時に成立間もない満州国に渡り、13年。繁栄とその陰にあった他民族への搾取、忍び寄る戦火と兄の死、過酷な逃避行…。大中さんの青春はそのまま、満州国の歴史と重なる。(広畑千春)
「落ち着いて聞いてください。もう…もう戦争は終わったというのです」。78年前の8月15日、旧満州(中国東北部)にいた大中京子さん(96)=尼崎市=は、突如参戦したソ連軍から着の身着のままで逃げる途中、敗戦を知らされた。それは日本の傀儡(かいらい)国家「満州国」の崩壊も意味していた。5歳の時に成立間もない満州国に渡り、13年。繁栄とその陰にあった他民族への搾取、忍び寄る戦火と兄の死、過酷な逃避行…。大中さんの青春はそのまま、満州国の歴史と重なる。(広畑千春)