兵庫県尼崎市の阪神尼崎駅南側の寺町エリアにある三つの寺院を舞台に、インスタレーション(空間芸術)を展示する催し「ジジコウコウ(寺々煌々)」が開かれた。それぞれの寺院の歴史や文化から着想を得た作品が一夜限り展示され、訪れた市民らは地域の魅力を再発見していた。(土井秀人)
寺町エリアを活性化しようと、尼崎信用金庫と阪神電鉄が取り組む「てらまちプロジェクト」の一環で、昨年に続き2回目。寺町は1617年に尼崎城が築城された際、城下町の整備に伴い、点在していた寺院が集められた。現在も11寺が軒を連ねている。
展示会場となったのは、法園寺と大覚寺、善通寺。芸術家たちは住職から寺についての説明を受け、逸話などから発想して作品に仕上げた。催しは夕刻から始まり、闇に包まれた境内にインスタレーションの光が浮かび上がった。
法園寺は戦国武将・佐々成政が弔われており、辞世の「このごろの厄妄想を入れ置きし鉄鉢袋今破るなり」にちなんだ作品を展示。「鉄鉢袋」は「心の袋」を表すとされるが、作者は想像を膨らませ、餅を使って具現化したという。
直径約20センチの餅をオーブンで約50分焼き、膨らんで破裂した様子で表現し、さらに下からライトを当てた。破裂して固まり光る餅を境内に10個並べ、ユニークな空間となった。
大覚寺では縁起に登場する巨木を題材にした作品が据えられ、境内にある能舞台と調和させた。善通寺にはモニターを置き、「首なし地蔵」の物語をモチーフにした作品を映し出した。
会社員の男性(50)=尼崎市=は「夜の寺に芸術作品という、今までにない斬新な試みで面白い」。催しを企画した多田銀次郎さん(40)は「市民でも寺町エリアを知らない人は多い。地域や各寺の歴史に興味を持つきっかけになっているので、今後も続けたい」と話していた。

























