ひょうひょうとした作風で、現在も人気を集める木山捷平の企画展会場=姫路市山野井町
ひょうひょうとした作風で、現在も人気を集める木山捷平の企画展会場=姫路市山野井町

 「秋をけりけり歩いて行った」-。作家の村上春樹さんが「好き」と紹介した詩「秋」をはじめ、ひょうひょうとした作風で没後半世紀が過ぎても根強いファンを持つ作家・詩人の木山捷平(1904~68年)。その生誕120年記念企画展が姫路市山野井町の姫路文学館で開かれている。苦悩の青春を過ごした地、姫路での展示には新たな知見があふれ、播磨との縁の深さも分かる。(上杉順子)

 企画展は木山の生涯を時系列で4章に分け、推敲(すいこう)の跡が残る原稿や創作ノートのほか、書籍、写真など200点余りで示す。姫路時代は「第2章 やせがまんの青春」と題し、特に充実させている。目を引くのは、企画展に合わせた竹廣裕子学芸員の調査などで判明した、三つの新事実だ。