神戸新聞NEXT
神戸新聞NEXT

 野菜の切れ端は、軽く発酵させてソースの材料に。魚の骨やエビの殻は粉末にして料理の香り付けに生かす。姫路市北原の古民家を借り、2021年秋に和食のコース料理を提供する「Oryori(オリョウリ)武井」を開いた。「農家さんが苦労して育てた食材を大切にしたい」と、野菜は皮まで余すところなく使う。

 ベトナム出身。6歳で来日して難民を受け入れる「姫路定住促進センター」に入り、退所後は高砂市で育った。料理人を意識したのは高校生の頃。一から手作りしたカレーを友人に振る舞うと、「おいしい」と喜ばれた。21歳で日本国籍を取得し、日本料理店などでアルバイトをして腕を磨いた。

 11年に姫路市中心部で店を開いた。ベトナム料理のフォーを中心に夜は和洋中の創作料理も出した。数年後に移転して規模を拡大させたが、20年に新型コロナ禍が直撃。閉店せざるを得なくなった。