神戸地方裁判所尼崎支部の外観=尼崎市水堂町3
神戸地方裁判所尼崎支部の外観=尼崎市水堂町3

 兵庫県の告発文書問題を巡り、作成に関わったとのデマを街頭演説で流され、名誉を毀損されたとして、丸尾牧県議が政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁尼崎支部の太田敬司裁判長は28日、330万円の支払いを命じた。演説内容は虚偽と認定した。

 太田裁判長は判決理由で、丸尾氏の社会的評価を低下させるもので、真実と信じる相当性も認められないと指摘。ユーチューブなどインターネット配信の影響力を認識した上で「デマを用いてでも世論を誘導する意図があった」とし、「民主制の過程の根幹である選挙活動で虚偽の内容を流布し、有権者の判断をゆがめることを辞さない態度が認められ、誠に悪質と言わざるを得ない」と指弾した。

 判決によると、斎藤元彦知事の失職に伴う2024年11月の知事選に立候補した立花氏が西宮市内で演説した際、告発文書について「実は丸尾とかが書いたんですって、うそを。あの告発文書をこの丸尾牧も書いとるんです」などと発言した。

 判決後、丸尾氏は「判決で精神的にも救われた。デマの拡散には歯止めが必要。これを区切りとして、安心して暮らせる社会や交流サイト(SNS)環境をしっかりつくり、前に進みたい」と述べた。

 告発文書は24年3月、元西播磨県民局長が作成し関係者に配布。停職処分となり、県議会調査特別委員会(百条委員会)に証人として出席する予定だったが、死亡した。丸尾氏は百条委の委員を務めた。