紙芝居「湖底のふるさと」を完成させた「ふるさとみんわ会」=加東市岡本
紙芝居「湖底のふるさと」を完成させた「ふるさとみんわ会」=加東市岡本

 70年以上前、加東市の鴨川ダム(東条湖)建設に伴って一つの集落が湖底に沈んだ。それを題材にした紙芝居を、同市の市民団体などが協力して制作した。水不足解消が悲願だった当時の暮らしや、古里を思いながら立ち退いた村人たちの姿を丁寧に描き、豊かな今の水路網につながる歴史を語る。お披露目の上演会が同市内で開かれ、関係者が「ダムの役割や人々の思いを語り継いでいきたい」と力を込めた。(岩崎昂志)

 タイトルは「湖底のふるさと」。1949年着工、51年完成の鴨川ダム建設の歴史を基に、同市の女性たちでつくる「ふるさとみんわ会」が中心になって作った。7戸が暮らしていた土井集落にスポットを当て、かつての穏やかな暮らしや集団移転の苦労などを、大型の紙9枚にまとめた。