アイス缶から抜き取られたばかりの氷=西脇市上比延町
アイス缶から抜き取られたばかりの氷=西脇市上比延町

 袋入りかち割り氷の「ロックアイス」などを製造する製氷業「西日本コクボ」(兵庫県西脇市上比延町)の工場で、商品の出荷作業がピークを迎えている。同社製の氷は大手コンビニチェーンのセルフ式ドリップコーヒーにも採用され、近年は需要が拡大。昼夜を問わず製氷や検品を行い、不純物が混ざらない氷を西日本一円に供給している。

 同社は製氷業大手、小久保製氷冷蔵のグループ企業。2014年、西脇市に製氷工場を完成させ、本社機能を同市内に移した。工場は約2ヘクタールの広さで、1日で最大約10万トンの製造能力があるという。

 工場の地下20~200メートルからくみ上げた地下水をろ過、滅菌。「アイス缶」と呼ばれる縦長の製氷器に注ぐ。缶の中に通した細いパイプから空気を吹き込むと、水はかき混ぜられ、ゆっくり外側から凍っていく。缶から取りだした「原氷(げんぴょう)」は重さ約70キロにもなり、検査員が水をかけながら目視で不純物などを取り除く。

 工場からは四国、中国、九州にも絶えず氷を出荷しており、同社執行役員の越智大樹さんは「氷の需要は気温と比例する。弊社自慢の氷で、西日本に涼を届けたい」とほほ笑む。(伊田雄馬)