「神明あかふじ米第37回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」に20チームが出場する。9地区12ブロックで争った予選を振り返る。

■神戸地区

3塁ベースを蹴って、ホームへ向かう御影少年野球部の選手=G7スタジアム神戸

 神戸は、3枠の本大会出場権をかけ、A、Bの2ブロックに分かれて熱戦を繰り広げた。

 2枠が与えられるAブロックには47チームが出場し、御影少年野球部が初優勝を飾った。決勝では、先制を許したものの、犠牲フライで追いつき、粘り強くつないで勝ち越した。藤井悠誠主将は「本大会では、声を出し合って勢いをつけたい」と話した。

 決勝で敗れた長坂少年野球部も本大会への切符を獲得した。ランニングホームランを放つ一方、3イニングを投げて投打で貢献した中尾桜士選手は「チームはいい雰囲気なので、本大会で優勝を目指したい」と力を込めた。

 Bブロックは、各団体の予選を勝ち上がった4チームが頂点を争った。決勝は、昨年の本大会覇者枝吉パワーズと打線好調の小部東アローズが4年連続で対戦。枝吉が、千徳建志選手のタイムリーでサヨナラ勝ちした。

 守りでリズムをつくって攻撃につなげる持ち味を存分に発揮した試合展開に、武村幸次郎主将は「本大会もチーム一丸となって優勝を果たしたい」。スローガンの「挑戦」を胸に、連覇に向けて闘志を燃やす。

■阪神地区

果敢に生還する潮ブルーナインの選手(右)=浜甲子園運動公園野球場

 阪神ブロック大会は8チームが熱戦を展開し、潮ブルーナイン(尼崎市)が初めて頂点に立った。準優勝の尼崎スピリットクラブ(同)、3位の鳴尾東ビクターズ(西宮市)と本大会へ進む。

 昨年準優勝だった潮ブルーナインは、盗塁や犠打など機動力を生かして悲願を手にした。決勝では初回に4番早川翼選手が適時二塁打で先制。その後も着実に点を重ねた。守備でも堅い守りで吉川宗佑投手の完投を支え、最後まで相手に主導権を渡さず、8-3で勝利した。塩澤京太郎主将は「スクイズや犠打を重ねて走者を返すことを意識した。県大会もみんなで協力してプレーをし、一つでも上を目指したい」と意気込んだ。

 尼崎スピリットクラブは準決勝の猛攻を再現できなかったが、五回には坂本大翔選手が走者一、二塁の好機に二塁打を放ち、一矢報いた。井上結翔主将は「相手の変化球を捉えきれず凡打が続いた。課題と向き合い県大会では優勝を目指す」と誓った。

 鳴尾東ビクターズは用海サントス(西宮市)との3位決定戦で3-1と快勝し、昨年に続き、3位での本大会出場を決めた。

■摂丹地区

白熱したプレーを見せる選手たち=丹波篠山市日置

 摂丹ブロック大会は三田、丹波篠山、丹波市から4チームずつの計12チームが出場し、柏原スターズ(丹波市)が決勝でウッディボーイズウエスト(三田市)を下して頂点に立った。両チームが本大会へ出場する。

 柏原スターズは攻撃と守備のバランスの良さが持ち味。決勝では一回に先制した後、バントや盗塁で相手の守備を揺さぶりながら小刻みに得点を重ね、差を広げた。五回に本塁打を打った高橋蒼空主将は「これまでの全ての大会経験を注いで優勝を目指す」と目標を掲げる。

 ウッディボーイズウエストはチームワークと粘り強さが自慢のチーム。決勝では0-4で迎えた六回表、早田扶選手の本塁打を起点に2点差まで迫り、会場を盛り上げた。2得点目を挙げた内田隼人選手は「一日2試合あることもある本大会に向け、しっかり備えたい」と意気込む。

■淡路地区

本塁に滑り込む志筑少年野球団の選手

 淡路島は南北2ブロックで、計15チームが白熱の戦いを展開。北淡路ブロックは志筑少年野球団が2年ぶりに優勝し、南淡路ブロックは洲本ゴンターズが4年ぶりの頂点に立った。

 北淡路ブロックは淡路市の7チームが戦った。

 決勝は志筑少年野球団と大町イーグルスが対戦。四回表まで大町が6点リードしたが、同裏に志筑が本塁打や盗塁による進塁、2塁打などで同点に追いつき、最終回に本塁打で逆転して7-6で激戦を制した。

 志筑の辻亜伶主将は「普段の練習の成果が出せた。点を取られても最後まで諦めなかったことが勝因。本大会でも優勝を目指したい」と意気込んだ。

 南淡路ブロックは洲本、南あわじ市の8チームが熱戦を繰り広げた。

 決勝では洲本ゴンターズと洲本三熊クラブが対決。序盤は両チームともヒットなどで得点し、互角の戦いだったが、三、四回にゴンターズがヒットや本塁打で点を重ね、6-4で勝利を決めた。

 ゴンターズの前田昂星主将は「粘り強いバッティングや守備ができた」と胸を張り、本大会へ「試合に勝ち続け、優勝したい」と力を込めた。

■姫路地区

姫路決勝 香寺クラブジュニア-広畑コンドルズ

 姫路地区予選には、姫路市と神崎郡から37チームが出場し、4月5日から6月21日まで各会場で熱戦を展開した。決勝は広畑コンドルズが7-0で香寺クラブジュニアを下し、優勝を決めた。この両チームが本大会に挑む。

 代表決定戦となった準決勝。広畑コンドルズが安室ゴールデンスターズに9-2で4回コールド勝ちを収め、香寺クラブジュニアが特別延長7回の末に飾磨・インパルスを10-9で振り切った。

 決勝戦では、広畑が一回表に押し出しの四死球で4点を先制し、四回表には新井涼介選手の適時三塁打などで3点を追加。この回でコールド勝ちを決め、頂点に立った。

 この試合で、2安打を放って好機を演出した久保田譲主将は「仲間と一丸になって、最高の思い出をつくりたい」と闘志十分に優勝を見据えた。

■西播地区

西播A決勝 佐用ワープジュニア-相生港クラブ

 西播磨野球連盟の11チームが参加した西播A地区ブロック大会は、佐用ワープジュニアが相生港クラブを5-0で下し、2年ぶり4度目の本大会出場を決めた。

 決勝は一回裏、佐用が1点を先制。五回裏には、無死一塁から寺田耀一主将が適時三塁打で2点目を奪取。この回、一挙4点を上げて相生港を突き放した。相生港は毎回のように走者を塁に置いたが、相手の好守もあり、本塁が遠かった。

 佐用は22年大会以来、3年ぶりの本大会Vを狙う。寺田主将は「絶対優勝して、兵庫に(佐用)ワープ(ジュニア)の名を刻みたい」と意気込んだ。

 一方、西播B地区ブロック大会は赤穂市少年野球連絡会に所属する6チームが出場し、尾崎野球スポーツ少年団が17年ぶり4度目の優勝を飾った。

 決勝では、塩屋野球スポーツ少年団と対戦。二回裏、尾崎が安打や塩屋の守備のミスを突き、一挙に8点を奪った。投げては主将の尾上白虎投手が抜群の制球力を見せ、8-1でコールド勝ちした。

 尾上主将は「チームの仲間全員が頑張ってくれたので、試合をしていて楽しかった」と笑顔を見せた。

■東播地区

東播ブロック大会は全てコールド勝ち、決勝では1イニング14点を奪う攻撃力を見せた曽根青龍野球クラブ=日岡山公園野球場

 東播ブロック大会は3市2町の8チームが熱戦を繰り広げた。優勝した曽根青龍野球クラブ(高砂市)と準優勝の野口南少年軟式野球クラブ(加古川市)が本大会出場を決めた。

 曽根青龍は「緻密な野球」をスローガンに掲げて、7年ぶり3回目の優勝を果たした。決勝までの全3試合ともコールド勝ちで合計32得点。初戦から長打で圧倒し、準決勝でも打線が爆発する展開を見せた。

 決勝では、相手投手の制球の乱れを好機に長打を絡めた猛攻を見せ、一挙に14得点を挙げて勝負を決めた。山中主将は「本戦は全員で自信を持ってプレーしたい。一戦必勝で優勝を目指す」と意気込みを語った。

 野口南は初戦、着実に得点を積み重ねて快勝し、準決勝でも競り勝った。曽根青龍との決勝戦では最終回、二死から四球で出塁するなど、最後まで粘り強い戦いを見せた。

■北播地区

熱戦を繰り広げる選手たち=加西市玉野町、アラジンスタジアム

 12チームが戦った北播地区ブロック大会は、4年ぶり優勝の自由が丘レッドファイターズ(三木市)と、準優勝のくるみビックス(同)が本大会に出場する。

 準決勝で、自由が丘は1点を追う六回表に打線がつながり、3点を取って逆転勝利。くるみは先制されるも中盤に追い付き、最終回に犠飛で勝ち越しを決め、決勝に駒を進めた。

 決勝では、くるみが一回裏、安打と自由が丘のエラーが重なって先制した。しかし二回表、自由が丘がくるみのバッテリーミスの隙に同点に追い付き、四回表には適時打で逆転。五回表は四球と安打で走者をため、くるみの犠打処理のミスや適時打で点差を広げ、栄冠をつかんだ。

 自由が丘の岡本裕羽主将は「声を出し合って優勝を目指す」と意気込む。くるみの〓川飛有主将は「守備を見つめ直し、心を一つにして臨む」と力を込めた。

■但馬地区

決勝の出石-八条で五回表、本塁打を放ち帰還する出石の川中道志選手=豊岡市下鶴井

 27チームが参加した但馬ブロックからは、2連覇を果たした出石ジュニアベースボールクラブ(豊岡市)と、準優勝した八条ラプターズ(同)が本大会に進出する。

 出石は初戦から決勝までの5試合で計41得点。うち3試合がコールドゲームという快進撃を繰り広げた。決勝は五回、本塁打などで3点を先取し、六回にも2点を追加。守備はエース、川中道志投手の制球力がさえ、無失点に抑えた。川中選手は5試合中4試合で完投、2試合で本塁打を放ち、攻守で存在感を示した。牧井俊輔主将は「本大会でも出石の強さを見せつけたい」と話す。

 八条は24年ぶりに決勝へ進出。チームは14人と少数精鋭で、長打は少ないものの果敢に足で稼ぐスタイルで得点を重ねた。決勝は失策もあったが、河原諒星主将は「本大会こそは優勝したい」と力を込める。

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