7日投開票の東京都知事選は現職の小池百合子氏(71)が291万票を獲得して3回目の当選を果たした。ただ、大勝とはいえ前回と比べると激戦だったこともあって、選挙に行かなかった人も含む有権者総数を分母とした「絶対得票率」は、前回の32・43%から6・72ポイント下がった。
首長選挙は行政のトップを選ぶだけでなく、現職にとっては有権者の信任を得る機会にもなる。絶対得票率はその指標の一つとなるが、得票率は高くても、投票率が低いと絶対得票率は下がる。
全国の都道府県知事47人の直近選挙での絶対得票率をランキングにしたところ、1位は三日月大造滋賀県知事の46・62%、2位は丸山達也島根県知事の46・32%、3位は杉本達治福井県知事の45・27%だった。小池氏は25・71%の33位だった。
いずれも、県民の半数近くが投票所に足を運び、投票用紙にその知事らの名前を書いたことになる。上位はいずれも再選以上の現職が多く、5期目の平井伸治鳥取県知事は4位だった。
投票率が伸びにくい大都市圏では絶対得票率を得にくい傾向もあり、吉村洋文大阪府知事は13位、大村秀章愛知県知事は37位、服部誠太郎福岡県知事は39位だった。
新人として立候補した初当選の知事らは、接戦をくぐり抜けたことから多くが下位に名を連ねた。後藤田正純徳島県知事は43位、馳浩石川県知事は44位。2021年に保守分裂選挙を制した斎藤元彦兵庫県知事は46位の18・96%だった。
20年に現職、元職との三つどもえの接戦を制して初当選した塩田康一鹿児島県知事の絶対得票率はワーストの16・77%だったが、再選を決めた7日の知事選では圧勝した。絶対得票率は一気に26・27%に上がり、順位も31位まで上げた。この結果、最下位は18・74%だった大野元裕埼玉県知事になった。
盤石の選挙で圧勝することが多い再選以上の知事が有利になる絶対得票率だが、それぞれ初当選時の得票を対象にしてランキングを作り直すと、順位はがらりと変わる。
知事ランキング<2>絶対得票率② 接戦強いられる初当選 支持40%超、強さ発揮した2人は