県立人と自然の博物館に隣接する深田公園。様々な生きている恐竜(鳥)たちに会える場所
県立人と自然の博物館に隣接する深田公園。様々な生きている恐竜(鳥)たちに会える場所

 皆さんは、バードウオッチングをしたことはありますか?

 双眼鏡がなくても、公園や森を歩けば、さまざまな鳥の鳴き声に気づくはずです。姿は見えなくても、私たちの身近には多くの鳥が暮らしています。

 ここで皆さんに質問です。鳥類に最も近い動物はなんでしょうか?

 身体が温かくて毛がある鳥は、哺乳類に近いと思われがちです。しかし、正解はワニ類です。鳥類とワニは、ともに「主竜類」という、爬虫(はちゅう)類の仲間に属します。

 見た目や生活様式の全く異なる両者が近縁なんて不思議ですね。分類学的にみると、鳥類とは「モフモフの羽毛をもち、空を飛ぶ爬虫(はちゅう)類」と言い換えることもできます。

 近年の研究により、鳥類が、一部の肉食恐竜から進化してきたことが強く支持されており、すべての鳥類は恐竜類の1グループでもあります。そのため、鳥類は「生きている恐竜」と呼ばれることもあります。

 私は大学や博物館で、鳥類を含む恐竜の研究をしています。公園でさえずる鳥とは異なり、大昔に絶滅してしまった恐竜たちが生活している姿は、直接見ることはできません。

 恐竜たちの生活様式を知る手がかりは化石だけですが、ほとんどの場合、化石になるのは骨や歯、卵の殻など、身体のなかでも硬い部分だけです。しかも、壊れてしまった一部のみが発見されることがほとんどです。

 断片的な化石から、その生きざまを復元するために、私たちは現在生きている動物を研究対象にすることがあります。現在の生き物の骨や組織などを細かく調べ、その生活様式と照らし合わせることによって、絶滅動物に応用し、その生活様式を復元しようと試みます。

 恐竜の研究では特に、近縁なワニ類と、生き残った唯一の恐竜である鳥類が参考になります。

 私自身も、絶滅した鳥類や恐竜類を理解するため、野外で鳥を観察することがあります。普段から骨ばかり観察しているため、博物館の中では、骨格をみればそれがどんな鳥類か分かります。

 一方、野外では、飛んでいる鳥類が何なのか答えるのは苦手です。博物館では、年に数回バードウオッチングのイベントを実施しています。鳥に詳しい博物館ボランティアさんに助けてもらいながら、博物館の周辺でいろいろな鳥類を探します。

 やはり、生きている恐竜を観察するのはとても楽しい! ひとはくで、私たちを見かけたら、ぜひ一緒に、生きている恐竜を探しに行きましょう。