退職一時金や年金といった老後の支えがインフレに追いつかないリスクが高まっている。物価上昇を考慮した実質退職金は過去20年間で3割弱目減りしたとの試算がある。為替の円安傾向や人手不足によるサービス価格の上昇で今後、インフレ率が高止まりするシナリオも想定される。賃上げと併せて退職給付水準の引き上げも求められる。
バブル崩壊後の不況が続いた1990年代半ばから2000年代初めに就職活動した世代は、退職金受け取りのタイミングが刻々と近づいている。退職給付制度は一般的に「賃金の後払い」の性格を持つ。勤続年数や功績に基づいて給付額が決まる例が多い。不安定な就労環境や賃金の低迷--。厳しい環境を過ごした氷河期世代が、物価上昇局面で老後の手取りも実質的に減りかねない。いわゆる「老後の貧困リスク」だ。






















