植物観察のセミナーに適した場所はないかと探していると、初めて見る植物が咲いていました。タイでの調査で似たようなものを見たことがありました。さすが淡路島と思いつつ、目星を付けて調べてみると、「サカキカズラ」という植物でした。
兵庫県では淡路島の南側にしか分布しないので、県の貴重性評価でもCランクに位置付けられています。どうりで見る機会がなかったわけです。
サカキカズラの属する「キョウチクトウ科」は、なじみのある言葉ではないかもしれませんが、画像を調べると見覚えのある種類が見つかるかもしれません。
その理由は、街中にキョウチクトウやツルニチニチソウ、ニチニチソウが植えられているからです。六甲山にもテイカカズラが咲いているので、思いの外、身近な所で出合いやすい仲間ではあります。
このキョウチクトウ科が特に魅力的なのが、雌しべの奇妙さです。普通の植物の場合、花粉を受け取るのは雌しべの先端なのですが、キョウチクトウ科ではそうではありません。雌しべの先端が膨らんでいて、その側面部や裏側でのみ花粉を受け取っているのです。
昆虫が花に口を差し込む際に持ち込んだ花粉が、引き抜く時に雌しべの側面や裏側に付き、さらに引き抜く時に雄しべの花粉が新たに昆虫の口に付く、という仕組みになっています。自家受粉を避けるためでしょう。
これをさらに巧妙化したのが、かつて「ガガイモ科」と呼ばれていた非常に面白い一群です。花の中心に奇妙なドームがあり、その中はよく見えません。そのドームの側面には五つのスリットがあり、そこに細い口を突っ込むと、口に付いていた大きな花粉塊が中で回収され、口を引き抜く時に新たな花粉塊がゴロッとくっついてくるのです。
さて、サカキカズラの雌しべを観察してみると、種子の入っている子房の上に、筋骨隆々のラグビーボールのような、雌しべの「先端」が唐突に現れる形になっています。日本だと他の種類では長い柄があるので、これは驚きです。
どこで花粉を受け取っているのかははっきり見えませんでしたが、最も直径の太い部分あたりではないかと思います。皆さんもぜひキョウチクトウ科の花を直接手に取ってみていただければと思いますが、どれも汁に毒性があります。くれぐれも汁の付いた手で目をこすったり、汁を飲んだりしないように、気を付けてください。敏感な方は、汁で肌がかぶれることがありますので、特に要注意です。
























