新型コロナウイルスの感染拡大が、兵庫県の姫路・西播磨地域の各市町で開かれる来年の成人式に影響を与えている。市川町は町内外の感染状況を踏まえ、5月への延期を決定。ほかの市町も新成人の集合写真の撮影を見合わせたり、保護者の入場を断ったりと、感染防止に神経をとがらせている。(田中宏樹、井上太郎)
市川町は今月1日、式を来年5月2日へ先延ばしする対応を決めた。11月下旬に町立中学校でクラスター(感染者集団)が確認され、県内や大阪でも感染者の増加に歯止めはかかっていない。町外から帰省して出席する新成人も多く、「この状況での開催はリスクが高い」と判断した。
北隣の神河町は、市川町の対応を受けて会議を開き、1月10日に開催する方針を確認。町教育委員会の担当者は「延期や中止は、振り袖やはかまの注文を済ませた新成人に大きな影響が出る」と判断理由を説明する。福崎町も成人の日の11日に催す予定という。
新成人同士のソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保するため、会場や開催方式を見直す市町もある。
昨年度まで町内のホールを使用してきた上郡町は、町スポーツセンター(同町竹万)の総合アリーナに変更。町教委は「体育館は間隔を空けて椅子を設置でき、換気もしやすい」とする。姫路市と宍粟市は2部制での開催とし、中学校区で参加者を午前と午後に振り分ける。
各市町は出席者の「密」回避にも気を配る。たつの市は式典後に行ってきた中学校区に分かれての記念撮影を中止。太子町は記念撮影後、速やかな解散を呼び掛ける。相生市は来賓の出席者数を減らし、保護者には会場内の別室で式典の中継映像を見てもらう。
佐用町は例年、新成人が談笑できるよう会場のさよう文化情報センター(同町佐用)の会議室を開放してきたが、今回は見合わせる。赤穂市は中学の担任教員らからのメッセージ動画を式典前に流し、出席者をホールに誘導する。
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