兵庫県たつの市御津町産の大根を原料にした炭酸飲料「ラディッシュ・エール・プレミアム」を、市内の農業生産法人2社が3年がかりで共同開発し、発売にこぎつけた。大根の搾り汁を12%含み、喉を通ると爽やか風味が広がる「大人な味」が特徴。商品化を企画した市商工会は新たな特産品として期待している。(直江 純)
原料の大根は、揖保川河口の成山新田で「御津サンファーム」が生産。同地区に広がる約100ヘクタールの砂地は大正時代に干拓され、水はけの良さもあって大根やニンジンの名産地となっている。ただ、大根は市場価格が低迷することも多く、悩みの種だった。
約3ヘクタールで野菜を栽培するサンファームの柴田陽介社長(36)は「大根は全国にライバル産地が多い。出荷しても赤字になり、廃棄せざるを得ない年もあった」と打ち明ける。
そこで、市商工会は2017年度から炭酸飲料の開発に着手した。一般の品種を使った試作品はたくあん臭が強く不評だったため、柴田さんは色もにおいも変わりにくい新品種「サラホワイト」を栽培。ユズ果汁も加えると上品な味わいに仕上がった。
量産化するための搾汁(さくじゅう)は、バジルペースト用の設備を持つ「ささ営農」(同市新宮町)が担当。ビタミンCなど大根の栄養素をできるだけ損なわないように加工した。
ささ営農の八木正邦社長(70)は「高級感のある瓶で、飲食店のノンアルコール用や、カクテルの割り材にもいいのでは」とPR。「今後も農業者が加工、販売まで手掛ける6次産業化を進めていきたい」と意気込んでいる。
1本250ミリリットル。ささ営農のサイトで6本3千円(1月25日まで本州などは送料無料)。「道の駅みつ」での単品販売も計画している。ささ営農TEL0791・77・0177
