厳しい冷え込みが続く中、兵庫県相生市やたつの市など西播磨の沿岸部でも12日朝、雪が積もった。先週末以降、列島を覆った強い寒気の影響で水道管の破裂も相次ぎ、たつの市や佐用町では貯水量が急減して節水を呼び掛ける事態になった。
相生湾沿いのポート公園(相生市旭)では、市最大の催し「相生ペーロン祭」で登場する手こぎ舟ペーロンのモニュメントが雪化粧した。
相生市の防災担当者は「積雪は年に1度あるかどうか。昨年は暖冬で積もらなかったが、今年はまた雪が降るかも」と話す。たつの市でも、龍野城下の重要伝統的建造物群保存地区の瓦屋根が雪に覆われて白くなった。
一方、気象庁が上郡町与井に設置している地域気象観測システム(アメダス)では9日早朝、1978年の観測開始以来最低となる氷点下10・3度を記録。これまでは85年1月15日の同8・8度が最低だった。
上郡では7日から11日まで5日連続で最低気温が氷点下5度以下となり、この間、同町や姫路市、たつの市、宍粟市、佐用町など各地で水道管が凍結して破裂する被害が相次いだ。
たつの市龍野町の男性宅では9日に給湯器の配管が破裂した。男性は「昼すぎにブシューと音がして水が噴き出した。長年暮らしているが、こんなことは初めて」と驚いていた。
同市上下水道部には住民からの通報が相次ぎ、職員らも休日返上で漏水箇所をチェック。それでも、新宮町の一部では貯水施設の水位が不足しており、今後も漏水が続けば断水する可能性があるという。
佐用町内でも漏水が相次いだため、町は防災無線で節水を呼び掛けた。同町上下水道課は「大きな危機は回避できたが、破損による漏水はまだ発生している。引き続き節水に協力を」としている。(直江 純、伊藤大介、勝浦美香)
