兵庫県赤穂市唯一の酒蔵・奥藤酒造(同市坂越)が、代表銘柄「忠臣蔵」のにごり酒を初めて売り出した。コロナ禍で地酒の消費量が落ち込む中、家で味わってもらおうと企画。日本遺産の北前船寄港地、坂越浦をPRするラベルを新たに作った。
回船業で栄えた奥藤家は420年前から酒造りを続け、18代目の奥藤利文社長が長男勘(かん)さん、社員の岩本幸大(ゆきひろ)さんと3人で仕込んでいる。
この1年余り、酒と手料理を蔵で味わう「奥藤バー」や、地酒などを販売する「おくとう市」は見送りを余儀なくされた。居酒屋の時短営業なども影響して出荷量は3割ほど減っており、新たなPRの材料に-と代表銘柄のラインアップを充実させることにした。
ラベル作りはイラストレーター益田美穂子さん(同市清水町)に依頼。坂越への思い入れを込め、北前船や坂越湾に浮かぶ生島(いきしま)、行き交う船に天気を伝えた赤いちょうちんのような「吹き抜き」なども描いた。
奥藤さんは「コロナ禍の中、時間をかけ、より丁寧に酒を造った。まろやかな味わいを楽しんで」と話す。1800ミリリットル2255円、720ミリリットル1309円。奥藤商事TEL0791・48・8005
(坂本 勝)
