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新規感染者に関する県の発表資料には、年代や性別、症状なども記されている
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新規感染者に関する県の発表資料には、年代や性別、症状なども記されている
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 兵庫県の姫路・西播磨でも、新型コロナウイルスの新規感染者が連日確認されている。神戸新聞社は県や保健所を設置する市の発表に基づき、最新の感染者数を一覧にして朝刊社会面に掲載。読者の関心は高く、表の見方に関する問い合わせも多く寄せられる。公表の仕組みをまとめた。(直江 純、勝浦美香)

 県は土日祝も含めて毎日午後に新規感染者数を記者発表し、ホームページでも公表している。居住地は本人の同意があれば市町まで明らかにするが、同意がない場合は健康福祉事務所(法的には保健所)までの表記にとどめている。

 読者からの質問で多いのも、この健康福祉事務所ごとに示されたデータだ。中播磨事務所は神崎郡3町▽龍野事務所は宍粟市、たつの市、太子町、佐用町▽赤穂事務所は赤穂市、相生市、上郡町-をそれぞれ所管するが、「龍野」と「赤穂」は事務所名と市名が同じか似ているため、「市単位での感染者数」と誤解を招きやすいようだ。

 市町別の人数を公表するかは、都道府県でも対応が分かれている。現時点では、大阪府、岡山、広島、香川、島根県は原則公表だが、京都府と鳥取県は兵庫と同じ保健所管内までにとどめている。

 兵庫県感染症対策課は「個人が特定されないよう配慮が必要だが、市町が分かれば身近に感じて感染予防に役立つのも確か」とジレンマを打ち明ける。非公表の情報は原則として市町長にも伝えられない。

 ある市の幹部は「市民から『市役所はどこの住民か知っているだろう』とよく聞かれるが、本当に知らされていない。そう説明しても信じてもらえないのが困る」と話す。

     ◇

 一方で、兵庫県は昨年6月以降、健康福祉事務所までの公表にとどめていた感染者数を、1カ月ごとに市町別に振り分けて公表するようになった。県感染症対策課は「おおむね2週間以上たてば個人が特定されにくくなる。統計情報として人数を更新していくことにした」と説明する。

 ただ、最終的な内訳公表の可否は、各事務所を通じた地元市町の意向を踏まえて県が判断しているため、必ずしも足並みがそろっているわけではない。例えば今月6日付と7日付の紙面を比べると、振り分け前後の違いが分かる。

 6日付の表に基づくと、龍野管内で市町ごとの内訳が示されていたのは全体の4%。残る96%は未公表だったが、県の内訳数更新を受け、7日付では未公表率が15%まで下がった。中播磨管内でも98%が8%に低下。しかし、赤穂管内は公表人数が増えず未公表が91%のままだった=表参照。

 この背景には、昨年秋から宍粟市内の高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が相次いで発生したことがある。福元晶三市長は11月25日に「市が把握している感染者数は50人超」とホームページで公表した。

 この時点で龍野管内の合計は126人で、たつの市は「残る70人超がたつの市だと誤解されかねない」と判断。県に市町別の内訳発表を強く要請した。管内の残る2町も公表に同意したという。

 一方、赤穂管内では小規模なクラスターが1件あったのみで、人口規模などから個人が特定されやすいとして公表に慎重姿勢を取ったという。

 結果的に市町別の公表率に大きな差が生じ、これが別の困惑を広げる原因にもなった。佐用町(龍野管内)では感染者数が一部明らかになったが、隣接する上郡町(赤穂管内)は記載がなく、佐用町には「隣町はゼロなのに、なぜ佐用は多いのか」などと問い合わせが相次いだという。庵逧典章町長は「公表には同意したが、不平等な扱いはかえって混乱を招く」とする。

 赤穂事務所の担当者は「2市1町の意向を踏まえ、今後は可能な限り内訳を公表したい」としている。

■保健所管内広すぎる

 感染症対策に詳しい関西福祉大・勝田吉彰教授の話 コロナ感染が渡航者ら「特殊な人の特殊なこと」から「誰でもあり得ること」へ意識が変わっている。居住市町村の公表は、予防により役立つため好ましい。一方で、問題の背景には保健所の統廃合で管内が広大になったこともある。行政改革で保健所予算が標的になった結果、危機的状況に対応できないことが可視化された。保健所を再び増やす必要がある。

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