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宍粟に移住し一般社団法人を設立した思沁夫さん。教え子らが寝泊まりする庭付きの大きな家を拠点に地域の課題を考える=宍粟市山崎町宇野
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宍粟に移住し一般社団法人を設立した思沁夫さん。教え子らが寝泊まりする庭付きの大きな家を拠点に地域の課題を考える=宍粟市山崎町宇野
しそう森林組合の幹部らと山林の現状について議論する学生ら=宍粟市内(思さん提供)
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しそう森林組合の幹部らと山林の現状について議論する学生ら=宍粟市内(思さん提供)

 中国・内モンゴルの遊牧民出身で14歳まで文字を知らなかったという異色の経歴を持つ大阪大学客員教授、思沁夫(スチンフ)さん(文化人類学)が、兵庫県宍粟市山崎町宇野の空き家に移住し、地域の課題解決を考える一般社団法人「北の風・南の雲」を設立した。宍粟の集落をテーマに、一つの学問領域では解決できない複雑な社会問題に取り組む授業を行っており、卒業生らも法人メンバーとして活動に参加。問題の所在や解決法を考え、地域に還元したいという。(古根川淳也)

 思さんは1960年代半ばに生まれ、知識人らが迫害された文化大革命の影響で遊牧民の祖父母に育てられた。書類上は58歳だが本当の生年月日は不明だという。11歳で町に出て舞踊の学校に通い、文字は14歳から独学で習得。4年かけて難関の大学に入学し、中国の弁護士資格も持っているという。

 金沢大への留学などを経て2007年から大阪大で教え、現在は学問分野を横断する「グローバルイニシアティブ・センター」に所属。モンゴルと中国・雲南省で現地の問題を考える「海外フィールドスタディ」と、宍粟など国内に軸足を置く「環境問題への回路」の2講座を担当し、それぞれの地域課題に学生と向き合っている。

 宍粟市との縁は12年。教え子が同市千種町鷹巣で間伐のボランティアをしたのがきっかけで同地区に通うようになった。学生らも森やたたら製鉄の歴史を学んで林業復活の提言をしたり、日本酒のカクテルを考案したりした。

 昨年は海外訪問の授業が10年の節目になるのに合わせ、教え子や現地の関係者ら130人で法人を設立。通い慣れた宍粟市を拠点に選んだ。さらに、地元住民の紹介で庭付き7LDKの大きな家が見つかり、気に入って移住を決断。週2回の講義の日は大学まで片道3時間かけて通い、在宅でオンライン授業も行う。

 20年度の授業では、工学部や外国語学部などの2~4年生5人が、同市山崎町上ノ地区で養殖する淡水サーモンや薬草の一種ドクダミの販路拡大などを模索。中国人留学生が自国でドクダミの市場調査をするなどしているという。

 2月末には宍粟で研究成果の発表会を開催したいといい、思さんは「学生や外国人の目線が地域の人にとってヒントになることがある。互いに得られるものがある交流にしていきたい」と今後の展開に期待した。

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