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映画「ノルウェイの森」の撮影の思い出を本にまとめた山下和久さん=神河町
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映画「ノルウェイの森」の撮影の思い出を本にまとめた山下和久さん=神河町

 作家村上春樹さん原作の映画「ノルウェイの森」(2010年公開)のロケ誘致を担当した兵庫県神河町元職員の山下和久さん(61)=同町=が、当時の思い出を1冊の本にまとめて出版した。タイトルは「僕は映画の中にいる」。同町川上の「砥峰高原」を舞台にした撮影秘話を、取りためていたメモを基に再現している。

 砥峰高原周辺での撮影は08年秋から冬、夏にかけての3クールで行われた。ロケ当時、地域振興課の課長補佐だった山下さんは許認可やスタッフの案内、機材調達の支援、地元対応など幅広い役割を担った。

 本では、冬の撮影で肝を冷やしたエピソードを述懐する。約90ヘクタールが真っ白に染まっている想定で案内すると、大雨などで雪が解け、枯れたススキがあらわになっていた。

 スタッフたちは顔面蒼白(そうはく)。撮影できない場合は2千万円以上の損害に当たると明かされ、張り詰めた空気の中で降雪を願った。祈りが通じたのか、翌日は一面の銀世界が広がり、「この風景は奇跡だった」と無上の喜びをつづる。

 俳優の松山ケンイチさんが演じる「ワタナベ」と、菊地凛子さんが演じる「直子」が別れるシーンは作品を象徴する場面としてポスターに使われ、高原の風景美を国内外に発信。大河ドラマのロケ誘致や観光客の増加につながった。

 「町にとっても大きなチャンスだった。大変だったが一つ一つの出会い、感動が宝物になった」と山下さん。「小さな町の一職員もこんな経験ができるんだ、と少しでも参考になれば」と話している。

 本は「山我龍二」のペンネームで出版。四六判、233ページ。税別1600円。日本橋出版のウェブサイトや町観光協会(TEL0790・34・1001)で販売している。

(井上太郎)

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